paradoxriderの日記

バイクや車、カメラなどのことに触れていきたいと思います

日本紀行 第27回 奈良

2 月になりました。 「1 月はく、 2 月はげる、 3 月はる」とよく言われますが、全くそのとおりだと思います。でも今月は天皇誕生日があるので、遊べる 3 連休が 2 回も! 陛下、グッジョブです。とりあえず 2 回とも旅行の計画を入れていますが、天候に問題がないことを祈るばかりです。

 

2 月っていうのは梅が咲く下旬頃はやや暖かくなりますが、それまでは天気は安定せず、雨は夜更け過ぎに雪へと変わることが多いのです。 3 連休は北へ向かうのでこちらとの気温差による服のチョイスに困りますが、それよりなりより「飛行機は飛ぶのか?」という心配が先に来ます。例年運休してますからねえ。空港で一夜を明かすのはイヤです。あ、でもネタにはなるか。

 

ま、いろいろと楽しみな 1 ヶ月になりそうです。

 

 

さて、第 27 回は奈良。ここに初めて来たのは今から 46 年前のこと(!)。まだバイクのバの字を見ただけでイラっとしていた頃ですね。中学校に進学する直前の春休みのこと、最初で最後のお泊り家族旅行で行きました。ワタシの家族は デブ症 出不精で、出歩くのはメンドクサイと思う傾向にあったのですが、兄の高校進学、ワタシの中学進学の前に家族サ-ビスとして連れて行ってくれました。

 

行ったのは法隆寺奈良公園。ここは小学校の修学旅行の定番コ-スなのですが、ワタシが通っていた小学校は平和教育に熱心な先生がいたため行き先は広島になり、授業で習った奈良の寺社を見学するのはお預けになっていました。なので両親が連れて行ってくれると聞いた時には、出発 1 週間前に突然旅行の旨を伝えられたというサプライズもあり、とても嬉しかったです。それが伝え忘れであったとしても。

 

 

最初に法隆寺おお、歴史の授業で知ったエンタシスが目の前に!

・・・以上。

 

しょせん 12 歳のガキですから、気になっていたものを目にすることができればもうそれで満足です。そんな柱は法隆寺には何本もあるわけで、ありがたみもあったもんじゃありません。まあ、「おお、ウチの子は学校で習ったことを覚えている!」と親を喜ばせることができたので、親孝行はできたかな。

 

続いて奈良公園おお、鹿がたくさんいる!

・・・以上。

 

しょせん 12 歳のガキですから、ふつうに外を歩き回る鹿を見ることができればそれで満足です。檻の無い鹿専門の動物園かな?といった認識程度の記憶しかありません。それでも鹿せんべいをあげるのは楽しかったです。無邪気に動物と遊ぶ姿を見せることができたので、親孝行はできたかな。

 

その後近辺を散策したのですが、寺と神社ばっかり見ても 12 歳のガキは面白く感じません。そもそもその二つの区別がついていないのですから。挙句の果てには「どこを見ても近所の神社と同じだなあ」というミもフタもない暴言を言う始末。それを聞いた時の両親のガッカリした表情を今でも覚えています。あれは親不孝だったなあ。

 

あ、それ以来旅行に連れて行ってくれなくなったのはワタシのせいか?

 

 

法隆寺にはもう一つ思い出があります。

 

意にそぐわぬ転勤辞令を受け気分が底辺まで落ち込んでいた時に、ふらっとバイクで行きました。早朝に法隆寺に着いてみるとたくさんの桜が。まだ誰もいないその中を歩いていると、突然ひゅっと風が吹いて桜吹雪が巻き起こったのです。それはしばらく続き見とれているうちに止んだのですが、その時には重い鉛のような気持ちがウソのように軽くなっていました。「何か」がワタシを助けてくれたのかもしれません。

 

ありがとうございました、「何か」。

 

 

バイクがらみの話になりますが、他県と同じように奈良県も帰省するために通過するだけの地でしたが、1 度だけ自動車道を降りることになりました。バイクのトラブルのためです。

 

paradoxrider.hatenablog.com

 

名阪国道を西へ走っている時に、バイク ( GSX400FW )のメータ-内のランプが一斉点灯してからエンジンが止まってしまい、そのあとはうんともすんとも言いません。真夏のクソ暑い中、帰省のための荷物を満載し革ジャンを着たまま押すこと 2 km、山添 IC で降りました。修理工場があるかと近くの民家で聞くと、親切にも地元のモータースに連絡してくれただけでなく、猛暑の中バイクを押してグッタリしている私を見て冷たいそうめんを出してくれたのです。熱中症になりかけていた身としては、それは何よりのご馳走になりました。

 

その後、モータース(専門はクルマ)の軽トラで工場に運んで点検する前に、店のご主人が「腹、減ったろ?」と言ってここでも昼ごはんをご馳走してくれました。バイクの故障で半ばパニックになっていたのを見抜いていたんでしょうね。イカと根菜が入った典型的な田舎の煮物で、それまでに食べたどんな煮物よりおいしく、かなり心が落ち着きました。その後診てもらいましたがすぐにカタが付くわけはなく、預けて帰省して 10 日後に修理が完了し、交通機関を乗り継いで(大変でした・・・)引き取りに行きました。故障の原因はレギュレ-タ-の異常だったようです。

 

飛び込みの通りすがりの学生に過ぎないワタシに対して親切丁寧に対応してくださったことには今でも感謝しています。ツーリング中にここまで優しい対応を受けたのは初めての経験だったということもあり、この近辺を走る時には気持ちが暖かくなります。これを書いているうちに山添村にもう一度行ってみたくなりました。

 

 

他にも、吉野へ桜を見に行った(あまりの混雑のためすぐに下山)こと、談山神社に紅葉を見に行ったこと、

紅葉シ-ズン一歩手前


山がご神体の大神神社へ参拝に行ったこと

拝殿

神社の前にあるお店で頂いたにゅうめん 風情がある



などなど、奈良を主目的地にするおでかけも増えました。

有名どころ

 

観光地としては京都より人が少なく落ち着いているので、ゆっくり過ごせるからでしょう。でもそんな魅力は二の次で、ワタシにとって奈良は唯一の家族旅行の地であり恩義を感じる地なのです。なので京都との比較対象として扱われたり歴史的価値が重視されていても、そこには魅力をあまり感じません。そんな表層的なものはどうだっていいんです。今からでは変えようのない・増えようのない思い出や、最大級の優しさを与えてくれた場所というだけで、ワタシには聖地に思えるのです、奈良は。

 

ではまた。