毎年この時期に東京へ行くことにしています。年度始めの慌ただしさも一段落しますが、それまでの精神的な疲労が溜まっている時期、ましてや今年のように所属が変わった時には気晴らしが必要だからです。
ということで、少しでも健康的に、なおかついい仕事ができるようになるために今年も行ってきました。GW のツーリングとこの東京行は、ワタシにとってはマラソンで言うところの最初の 10km の給水ポイントで、これ無しでは 1 年を駆け抜けることはできないと自信を持って言えます。
そんな、特には大きなイベントはない、それでもワタシの中では重要な位置を占めるおでかけの様子です。
どうぞ。
1日目
4 時起床。なぜか飛行機の出発時間がいつもより 30 分早いため。前日寝たのは 0 時なので眠い。目覚ましがわりにパソコンをカタカタしていると、やっと頭が起きてきた。
6時過ぎに駐車場に入ると、すでに 8 割の入り。朝イチの飛行機に乗るために来たのに、なんでもうこんなに車がいるのだろう?
搭乗まで30分ほど待つ。アナウンスではほぼ満席らしい。
JR で東京に行くなら 2 回の乗り換えが必要だ。飛行機でも乗り換えは 2 回だが、今回ワタシはマイルを使ったのでタダ! 購入するにしても、早く購入すれば JR より断然安い。となると、航空便利用一択になるのは自明の理。
搭乗するまで老紳士が奥さんらしい人に搭乗時の注意をひとつひとつ教えていた。女性はそれにうん、うんと応えていて、最後に明るく「だ〜いじょ〜ぶ〜」と言った。奥さんの勝ちだな。夫が偉そうにして妻がそれを手の平の上であしらう、このやり方が一番平和なんじゃないかな、権利や平等を声高に叫ぶよりも。
今日の機材は 767-300。 737 より大きい分、乗っていても余裕が感じられる。さすがに新型機に比べると機内音は大きいが。始めてこの機種に乗った時はその大きさと快適さに驚いたものだが、今となっては旧世代機。平成は遠くなりにけり、だな。
羽田には早めの到着。沖止めのためバスで空港ビルへ。飛行機を間近に見られてちょっと得した気分になるのはワタシがお子様のせい?モノレールで浜松町。さ、朝飯だ。前回来られなかったので、4 ヶ月振りか。冷たい蕎麦がありがたい。
山手線で高田馬場、そこから西武新宿線に乗る。初めて乗ったが、これは住宅地の中を走る通勤通学路線だな。郊外の景色が楽しめるわけではないので、うつらうつら。
急行で 30 分あまり揺られ航空公園駅着。さて所沢航空発祥記念館ヘ行こう、と思ったがなかなか着かない。そりゃ元飛行場だから広いわな。芝生の広場でフライングディスクの競技をやっているのを見ながらぶらぶら歩いて行き、目的地に到着。
だいぶ前に前間孝則氏の公開講座に来て以来だから、えーと、10 年くらい前か・・・!時が経つのは早いなあ。著書の「マン・マシンの昭和伝説」と「戦艦大和誕生」に感銘を受け、当時この人の話を聴くためだけに埼玉まで行ったのだ。我ながらフットワーク、軽いな。
入館してまず現在行われている堀越二郎回顧展を見て、
他の展示物をじっくり見て回った。航空機技術は軍用からの転用が多いのだが、この記念館はあまり軍事色を感じさせないし、自衛隊の関与もそう多くはない。ここは元は旧陸軍の施設があったところなのに。陸自は旧陸軍との繋がりをあまり表に出したがらないと聞いたことがあるが、そのせいか。「軍用まる出し」という機材が少なく展示の方向性が各務原とは大違いなので、客層も子連れが多く平和的だ。
売店を覗いたり映像作品を見たりしたので
4 時間を超える滞在となった。広大な公園をぶらぶらしてから
遠回りして
駅に戻り、西武新宿線で所沢に行き、西武池袋線に乗り換え池袋、山手線で御徒町へ。とんかつまんぷくは開いていなかったので、みなとやで遅い昼食を摂り、
秋葉原へ行く。当然大混雑。外国人の方が多いかもしれないな。彼らはバンバン買い物をしている。あまりの値上がりにバカらしくなるものでも、彼ら彼女らはお構いなしで買っている。バブル期に海外でブランド物を買い漁る日本人を、その国の人は今のワタシと同じような気持ちで見ていたんだろうな。フィギュアは地元で買おう。掘り出し物もなかったし。
本命の薄い本探しに取り掛かるべくそのコーナーへ行くと驚いた。ここも外国人ばかり。まんだらけもらしんばんもK-BOOKSも。以前はほとんどいなかったのに。小さな子供が絵本を読むように、文字が読めなくても絵で楽しむんだろう。特にR-18コーナーは大人気だ。そういう直線的な欲望は万国共通なんだな。ワタシは全年齢対象モノを手に入れて満足して退店した。
途中、宿で楽しむスイーツを買い、
途中の店で飲み物等をを仕入れつつ、
またぶらぶら歩いて御徒町に戻る。今日のお宿はR&Bホテル上野広小路。コロナ後改装したということもあり宿泊費が爆上がりしたため、常宿から外していたので久しぶりだ。行くと客の多くは外国人。やっぱりインバウンド価格が導入されているのか。でもそうやって国内客を大事にしないようになると、次に何かが起こって外国人客が減ってももう日本人客は戻って来ないし、コロナの時のような支援は世論が許さなくなると思うのだが。それでもいいのか?
チェックイン後は部屋でスイーツを楽しみながら、だらだらとテレビ鑑賞。こんな気ままな休日を過ごすと心が潤うなあ。
本日の歩行距離:12.3 km
本日の振り返り
今回の東京行のメインディッシュは堀越二郎回顧展でした。彼は零戦の設計者として有名ですが、ちょっと気になることがあったので見に来たのです。
彼はエポックメイキングな航空機を設計し実用化され、優秀な出来であったため超メジャーな機体になりました。でもそれは軍用機であり、敵対する者を排除する、つまり殺すためのものです。彼にその意識はあったのでしょうか。これは責めるための疑問ではなく、どんな資料をみてもそれが感じられないので不思議だったのです。
今回この展示を見て少し納得がいきました。彼は技術者として純粋に邪気無く研究開発を行うことで、当時としては最高の「空飛ぶ機械」を作り上げたのでしょう。その過程では「敵に勝つため」とか「国を救うため」とかのよそ見をせず、ひたすら技術を高めてそれらを組み合わせることで、零戦という傑作ができてしまったのではないでしょうか。軍から出された無茶な要求を、三菱の技術力と己の能力を最高に発揮してクリアする、現代で例えるとクソゲーを攻略する苦労と快感を感じていたように思えます。まさに技術者の鑑ですね。なので、出来上がったモノの諸元や性能よりもその数値を出すに至った過程に興味が湧き、その辺のところをもっと知りたくなったというのが今回の収穫であり課題です。とても興味深い一日となりました。
秋葉原をうろついて思ったのですが、艦これグッズや同人誌が激減していたのが気になります。まさかのオワコン扱いでしょうか?でもそうなると価格は下がるので買いやすくなりますね(ジュルリ)。やはりアキバ巡りを止めるわけにはいかんようです。
二日目に続く。