paradoxriderの日記

バイクや車、カメラなどのことに触れていきたいと思います

日本紀行 第10回 石川

昨年の梅雨入りは5月の半ばでした。例年は 6 月上旬なので、半月早かったことになります。で、今年はというと、まだなんの予兆もありません。今のうちに走っておくとしましょうか。

 

 

前回からだいぶ間がありましたが、ようやく続きを書くことができました。北陸地方の続き、石川県です。

 

この県については泊まりで出かけるほどの魅力を知りませんでした。 なので初泊まりは20 代の後半になってから。大学のバイクサークルの OB 会が七尾の民宿を貸し切って行われた時でした。

 

食事後に宿のご主人は「あとは好きなだけ飲んでいいよ〜」と言い残し、隣の自宅に帰って行きました。その時のメンバーは 10 人。問題は一人(ワタシ)を除いて全員がザルだったことです。ビール、焼酎、日本酒、ウイスキー、ワインと、宿にあった酒を全部飲んでしまい、翌日に再び現れたご主人はびっくり! それでも太っ腹なところを見せてくれ、 宿代は据え置きにしてくれました。

 

ご主人、その節はありがとうございました。そしてすみませんでした

 

 

この時に千里浜なぎさドライブウェイも体験しました。砂浜の上を走れるということで、気分はパリダカ(当時)のゴール。本当に波打ち際まで走ることができて不思議な気分でしたが、同時に「ヤバい。サビる!」と思い、走るのは1回だけにして早々に一般道に復帰のつもりが、どこかでミスコースしたらしく、砂が柔らかくなった場所を走る羽目に。当時のバイクは GPZ900R A8 。決して軽くはない車体なので、スタックしたら脱出できません。ヘルメットの中で日本語ではない何かの言語を叫びながら、アクセルワークと半クラ、バランスに全ての集中力を叩き込み、奇跡的にアスファルトの道に入れました。

 

 

その程度の関心と興味しかなかったのですが、10年ほど前に転機が訪れました。それは

 

アニメ花咲くいろは

 

です。制作はオリジナル作品を得意とするPA WORKS 。何の気なしに見始めたのですか、見事にどハマり。丁寧な情景描写、最後まで破綻なく登場人物の絶妙な関係性をまとめきったストーリー、出しゃばりすぎない恋愛要素、時々現れるウィットに富んだユーモアのセンスなどなど、単なる「お仕事アニメ」というくくりには収まらない作品でした。その魅力を語るとなると、このブログ 10 回分でも足りないくらいです。

 

このアニメに魅せられたワタシは聖地巡礼に出かけるようになりました。

のと鉄道西岸駅七尾市)にて ここも聖地


ゴーゴーカレーが出した限定クリアファイルを手に入れるためだけに行ったこともありましたねぇ。

この1枚のために石川まで(バカ)

 

そうやって石川県に行くうちに、ついでにあちこち立ち寄るようになり、兼六園

曇天の兼六園 雪の時に見てみたい


21 世紀美術館といった王道的な観光地、石川県立航空プラザ日本自動車博物館というマニアックなところなど、アニメ作品とは関係ない場所も目的地に加わりました。

 

 

ある時、石川県のカイロプラクティックの施術院が、購読していたバイク雑誌とのコラボをやっていることを知りました。たまたま東北ツーリングの途中で他のコラボ店(ニュ-ハルピン。詳しくは拙ブログ「日本紀行 第8回 新潟」で)へ行った時にその雑誌の編集長も来ていて、話の流れでその施術院に予約してくれ、帰りに寄ることになりました。人の縁とは不思議なものです。

 

で、行ってみました、ライズエレメント。コラボステッカーを手に入れるのが第一目的でした。カイロ施術は未体験だったので、マッサージと同じようなものだろうとたかを括っていたのですが、全くの別物でした。

 

足、腰、背中を診てもらいましたが、てっきりもみもみ、ぺきぱきされると思っていたのですが、やさしく撫でる(?)施術が大部分で、時々瞬間的に力をいれることは数度。関節や筋にテンションがかかった自覚はなく、あまり施術を受けた実感はなかったのですが・・・。

 

ベッドから降りると何か違和感が。妙に背筋が伸び、背骨や腰骨付近が温かく感じたのです。

 

で、あいさつをして帰ろうとした時のことです。当時のバイクは FZS1000FAZER 。このバイクのシート高は割とあって、またがる時には必ず右ふくらはぎがシートを擦っていました。

 

院の方々のお見送りの視線の中、いつものように右脚を振り上げると、普段のコースを大きく外れてシート上空 20 cm を通過(驚)

 

不思議な感じの施術でしたが、実は股関節や骨盤の動きの固さを取り除くほどのものすごい効果を上げていたのです。

 

自分の身体ながらあまりの動きの違いに驚き、目が点になり、続いてスゲ-ッという興奮が押し寄せ、身につけていたヘルメットやグローブを脱ぎ捨ててお見送りの列まで伝えに行ってしまいました。さしずめ「先生、こんなもの見つけたよ!」と勢い込んで報告に行く小学生のよう。その様子にアチラさんもちょっと引いている様子でしたが。

 

身体の構造を理解し正しい刺激を与えることで、これほどまでに動きの量や質が変わるのだという貴重な体験ができました。

 

その後2回ほど行きましたが、また行きたいと思っているうちに数年が経ってしまいました。ぜひまた行って驚きたいなあと思っています。

 

 

ちなみに宿泊は近辺のビジホでしたが、

日本海に沈む夕日 美川のビジホより


10 年ほど前に一度だけ、加賀温泉郷のひとつ、山代温泉に泊まってみました。有名だけれども垢抜けない、いまいちスマートになりきれない温泉地でした。でもそれでいいんじゃないかと思います。ヘタに観光の手垢がつきすぎたり観光ズレするよりも、この不器用な感じがむしろ魅力的だったりしますから。

 

その宿にはこんなポスタ-が。

貼っていたポスタ- このセンス、大好きです

じっと見ていると、宿の女将さんに声をかけられました。これは若い人たちの発案で作られたそうです。「私たちにはこのおもしろさがよくわからないんですけどねぇ。」とおっしゃっていました。世代間格差といったところでしょうか・・・。

 

 

もう長いことご無沙汰の石川県です。この2年間では何度か再訪を試みましたが、その都度コロナ警報に阻止されました。1泊2日でもいいから、車でもバイクでもいいから、雪が降る前には行きたいと思っています。

 

ああ、行きたい県がたくさんあって困る・・・(嬉)。

 

 

 

ではまた。