paradoxriderの日記

バイクや車、カメラなどのことに触れていきたいと思います

観光について思ったこと

先日、また徳島へラーメンを食べに行きました。これで王王軒に月イチで行くという今月分のノルマも無事達成です。

あ”、露出オーバー・・・


お宝ショップにも行きましたが、今回は収穫ゼロ。

 

この日は他にイベントもなくぶらぶら帰っていると、かつて吉野川近くに吉野川遊園地」というものがあったということをふと思い出しました。 昔、近くを通るたびに「ちょっと行ってみたいなぁ」とは思っていたのですが、10年ほど前にたまたま通りがかると、解体作業中でした。夢がある遊園地が重機によって取り壊されている現実の風景を見て、とてもショックをうけたことを覚えています。

 

そういえば今どうなっているのかなぁと記憶を辿りつつ行ってみたのですが、当然その痕跡はありません。 残念に思いながらクルマを走らせていると、道からちょっと入ったところに何か色鮮やかなものがあるのが見えました。違和感を感じて細い道を入ってみると、そこは神後水辺環境公園というところで、明らかに場違いなものが置いて(放置して)ありました。コレはもしかして、かつて使われていた遊具か???

まさかこんなところにいようとは・・・。「設置」というより「廃棄」、かな?

 

まるで遊園地の墓標のように見えました。

 

なつくさや つはものどもが ゆめのあと

 

胸に沁みますねえ。

 

 

 

さて、新型コロナウイルスの影響が、だんだん下火になってきましたね。感染者数は減ってきて、徐々に生活が以前のように戻りつつあります。

 

この2年余りの間は、なかなか思い通りに旅行ができませんでした。実際、ツーリングや旅行の予定のいくつかは直前になってキャンセルを余儀なくされるなど、ストレス発散のつもりで計画していたおでかけが中止になることで、逆にストレスを増幅させたこともしばしば。

 

それでもコロ助の目をかいくぐるようにして出かけたこともあります。「感染したら負け」と自分に言い聞かせ、マスクや手指消毒による防護策や密からの退避などの基本的なことを守ることにより、幸いにして感染することはありませんでした。

 

職場でクラスタ-感染が起こった時はさすがにヤバイと思いましたが(遊びに行けなくなるから)、これも運よく無事クリア。まだ散発的な感染が時々起こっていますが、以前より疑心暗鬼感は減ってきています。

 

 

オミクロン株の出現などもありましたが、世間的にコロナに対する警戒が薄れ始めたのは年が明けてからではなかったでしょうか。なので

 

1月:東京

2月:北海道(札幌)←中止、東京←中止

3月:東京、北海道(函館)

5月:福島、茨城、東京

 

と、お出かけをしてきたのはブログへの書き込みの通り。

 

昨年やその前年などもっと閉塞感が強かった時も、隙を見ては出かけていました。その時とこの数か月を比べてみると、いろいろと思うことがあります。

 

 

今年の3月から、また外国語を街でよく耳にするようになりました。先日行った5月の東京詣ででは、言語の数や種類が明らかに増えていました。もう入国者が増えてきていたのか、日本在住者が羽を伸ばし始めたのか、理由はわかりません。いずれにせよまもなく観光業界の関係者がすぐ「海外客の誘致!」とか「インバウンド!」とか騒ぎ始めてくるでしょう。

 

ですがワタシは、日本の観光業が再び彼らのゼニに依存するのは大きな間違いだと思っています。

 

観光業というのは水モノ。何か異変があっただけで客の入りはすぐに増減します。なので、安定した収益を上げたいのなら、海外旅行客の呼び込みよりも国内旅行客の繋ぎ止めに注力すべきです。日本は1億人以上の客がいる大市場。彼らを取り込みリピーターにすることができれば、一発屋の海外客よりもトータルでは儲けになります。 

 

コロナ禍の中、「観光客が来ない」とか「売り上げが減ったので補助してくれ」という観光地がありました。そこは来月から始まる外国人観光客の受け入れ緩和に期待しているそうです。彼らは国内客より外国人客を重視しているのでしょう。

 

でもこんなことをしていると、その観光地は国内客から敬遠されていきます。自国民に相手にされなくなった観光地に、わざわざ高いカネを出して来日した外国人観光客が来ると思いますか?

 

もし「イギリス人のいないピカデリ-サ-カス」や「ブラジル人のいないリオのカ-ニバル」があったら、そこへ行きますか?

 

彼らは日本に来て grobalization を体験したいわけではありません。

彼らが体験したいのは日本独特の歴史や文化による internationalization の実感なのです。

 

現に外国人観光客の目玉は「日本の文化や生活の体験」にシフトしてきているのをお忘れでしょうか?

 

そのためにも、「もっと国内に向けて魅力をアピ-ルして自国民がたくさん訪れる観光地にし、そこをその状態のまま外国人に見てもらう」というスタンスをもつことが必要だと思います。そうすることで日本への理解や関心が深まるだけでなく、日本人にも愛される日本のコンテンツとして価値が上がるのではないでしょうか。

 

「インバウンドガー」とか「爆買いガ-」とかばっかり言って国内客をないがしろにしたらどうなるか、このコロナ禍で分かったはずではないのですか?

 

 

それなのにこの夏以降の宿泊費を見ると、日本人観光客が再び躊躇するような価格設定をしている所が目立ちます。

 

「コロナ禍中は仕方なく安くして宿泊客を受け入れていたのだ。制限がなくなったら価格を上げるのは当たり前だ」という言い分はあるでしょう。

 

でも客は、その低い価格がオタクのホテルの本来の適正価格だと考えていたから泊まった可能性が高いのです。外国人からたまたま高い宿泊料を取れていたのをいいことに、ウチは高級(ビジネス)ホテルだ、と勘違いしない方がよろしいかと思います。

 

コロナ禍中であるにも関わらずせっかく泊まってくれた客は、移動制限が緩和されるとリピーターになってくれる可能性があります。そのような、向こうから飛び込んでくれるような貴重な顧客を自らみすみす逃すようなことをしている宿泊業者が多いですね。

 

経営のためには値上げもやむを得ないとは思いますが、それを最小限にすることで顧客となった国内客の宿泊を促し、部屋の稼働率を上げた方が利益につながるはずです。

 

 

東京五輪という最大級の集客イベントは終わり、今後はコロナ禍によって打撃を受けた経済の立て直しと、近い将来起こりうる災害対策という、難しい状況の解決が課題として残されました。それにもまして世界情勢の悪化という、コロナ禍が収束しても安心できない状況が加算されています。そのため今後は、観光業界の中でより一層激しい生き残り合戦が始まるでしょう。

 

それでも人間は「観光」を欲します。これからの日本でどのくらいの数の観光地や宿泊施設が、それに応えるべく地に足のついた運営をしていくのかを見せてもらうのが楽しみです。「当然準備はしているよ」「戦略は考えてあるよ」という答えが返って来ることを期待しています。どうぞワタシの考えが杞憂でありますように。

 

 

ではまた。