雨が降ったり晴れたりで、夏が近づいてくるのを実感しています。
気温が一定になってきたので、ようやく冬物をクリーニングに出すことができました。次にこれを着るのは北海道ツーリングの後なんだなぁと思うと、秋の準備をしているみたいで時間の流れの速さを感じてしまいます。
時間は無駄に出来ないなあ、たくさん遊ばなきゃ、と決意を新たにしてしまいました。
さて、前回の続きです。
5/5
5 時起床、と言いたいところだが、寝過ごして 6 時起床。昨晩パッキングし忘れてあせったが、連泊するのでその必要は無いことに気づく。ましてや今日は祝日。朝のラッシュも心配しなくていいので、のっそりと準備をする。疲れが残っていないのは幸いだ。
7 時に出発。 K57 を通って三春へ。もしかしてまだ桜が残っているのではと淡い期待をし、湖やダム周辺を走ってみた。残念ながら全て散ってしまっており、代わりに新緑に輝く木々の中のクルージングを楽しむ結果となった。
まだ朝も早いせいか、山の中のワインディングを独り占め。緑は目にいいと聞いていたが、気分まで落ち着いてきた。こんな状態で目を三角にして力走するのは野暮だろう。4,5 速を多用して、つるーっと流すようにして走ると最高に気分がいい。山の風景に無理なく溶け込める気がする。
途中、三春の滝桜に寄ってみる。
初めて訪れたが、大きく立派な桜だ。花がない今は形の良い巨木にしか見えないが、花が満開の時はさぞや絶景であろうと想像がつく。近くに広い駐車場があった。シーズン中はここも一杯になるらしい。さもありなん。
他にも人気の桜があるようだが、見に行かなかった。花がない今は緑の中を走り続けている方が楽しいので、そちらに全集中。気づけば 1 時間以上走りを楽しんでいた。
そろそろ浜通りに出てみる。前日と同じ K112 を通って
富岡に出るが、その前に夜ノ森に立ち寄る。ここは最近まで「帰還困難区域」に指定されていたので、行ったことがなかった。解除されて日が浅いせいか、人の姿はない。他の地域ではだいぶ整理されている建物も、ここでは 11 年前のままだ。近くにある JR の駅舎が新しい分、よけいに時間に取り残された感がある。
駅前のロータリーにあった放射線の線量計の数値を見ると、ワタシの県の量の 4 倍 だった。
ちなみにこの日、大熊町で見た数値は 10 倍。それらが人体に与える影響でどう違ってくるのかはわからないが、数字が大きいというだけで不安も増してくる。
そんな状態の町に人が帰って来られるのはいつのことだろうか?
そもそもそんな日は来るのだろうか?
来たとしても、町を維持できるほどの数が帰ってくるのだろうか?
と、悲観的になってしまう。こうした姿勢が復興の妨げになっているのはわかってはいるのだが。
富岡から北上して海沿いの道に入り、今日の目的地「震災遺構浪江町立請戸小学校」へ行く。福島に来た時は毎回立ち寄った場所だ。外から見るだけで中の様子は全くわからなかったので、公開されたら必ず見に行こうと思っていた。
300 円払って入館する。カネを取るのはいかがなものかという意見も出てきそうだが、ワタシは賛成。駐車場も整備されており、館内展示の維持管理や更新にもカネがかかるのは当たり前。それに、災害やその教訓について学ぶ勉強代と思えば安いもの。学習費はケチってはいけない。
それにしても、ここの生徒に犠牲者がいなかったのは驚きだ。近年では初めての被災だったので、先生方の判断や対応も一種のバクチだったはず。トラックの荷台に乗せてもらい避難できたなどの幸運も重なり、誰も死ななかったという。ひとつ間違えただけで多数の犠牲者が出ても不思議ではない状況の中、このバクチに勝てたのは不幸中の幸いだと思う。先生方、グッジョブ!
被災地を回って行くなかでずっと気になっていた場所の状況を知ることができ、心の中で引っかかっていたトゲが抜けた気がした。
当時の先生方や生徒の皆さんには、怖いことをなんとか乗り切った分、よいことがたくさんありますように。
さて、昼も過ぎたので腹が減った。ということで、こちらに来たからにはアソコへ行かねば。
その名は「とんかつ大甕」。
GW中なので混んでいるかと思ったが、その時間帯前だったらしく余裕で入店。何にするか迷ったが、やはりいつものアレにする。
盛りの良さと田舎風味付け。そうそう、これを食べなきゃ。ワタシにとって福島に来てこの店でほっき飯を食べるのは、会社に行ってタイムカードを押すようなもの。近年ではこれに浪江焼きそばも加わったため、食事が忙しくなった(嬉)。
再び海沿いに戻り、小高地区へ。今年も菜の花畑の迷路は盛況。
震災後の数年は大部分が荒れた更地になって月表面のようだったのに。見える景色で気分も変わる。やはり復興は大事だな。ただ気になる事がある。このあたりにはお地蔵さんや手作りの慰霊の碑がいくつかあったのだが、今は見当たらない。どうしてだろう?
そろそろ戻る時間だ。ネットで調べると R114 が走れるようになったというので、そこを通って UFO ふれあい館に寄ってから戻ることにしよう。
西に向かってしばらく走ると、途中で警備員に止められた。二輪車はまだ通れないとおっしゃる。
残念だが仕方ない。やむやく寄り道を断念し、ルート変更をする。かといって R115 まで北上すると遠回りになる。なので R288 をチョイス。
西に向かってしばらく走ると、途中で警備員に止められた。二輪車はまだ通れないとおっしゃる。
えー、ここもぉ?!
残念だが仕方ない。やむやくルート変更をする。結局昨日と同じ道を通って郡山へ戻った。
夕方に市内に入った。さて夕食はどうするか。郡山駅東口にはコンビニが一軒だけ。給油をしながら考えていると、道の向こうにラーメン屋が見える。おお、「来夢」ではないか!
喜多方で初めて食べたラーメン屋の支店がこんな所に!これも立派な福島メシなので、GS から直行した。
頂いたのは「しょう油チャーシュー」と「餃子」。
ここのしょう油ラーメンは「塩辛い」と感じる一歩手前の味なので、しっかりとした味でありながらくどくないというところがワタシ好み。昼ごはんがまだ胃に残っていたが、するするっと入って隙間に収まった。
満足して宿に入り、コンビニで買ったヨーグルトを飲みつつ、明日の予定の立案をした。
19時前に地震があった。震度 2 。ここでの地震は小さくてもやはり怖い。
本日の走行距離: 300.8km
続く。