さて、始まりました、というか、帰ってきてしまいました、「私的バイク遍歴」。いつかはまた、とは思っていたのですが、思ったよりずっと早い 12 台目のご紹介です。まさかこんなことになろうとは。去年の今頃の自分が知ったらびっくりすることでしょう。
バイクを手放したり新しく購入する際のきっかけや条件は人によって異なります。だからこそ「自分はどうする?」と悩み苦しみ、時にはイラつくわけで、ワタシも同様です。いままでに 11 台分の遍歴を書き連ねてきましたが、今回も手元に来るまでは紆余曲折がありました。その悩み多くも充実していた過程を笑読していただければ幸いです。
それでは開演です。携帯電話等はマナーモードにしてお楽しみください。
ではどうぞ。
今までのブログで書いた通り、ワタシは Tiger Explorer をとても気に入っていました。ライバルである BMW-GS とは、バイクの実力ではほぼ互角、スペック上の数値はこっちのほうが上だったのですが、販売店数とブランド力、メディアの提灯記事には太刀打ちできず、ぶっちぎりの 不人気車 レア車に。どこの世界でも敗者には冷たいですなあ。それも折り込み済みで購入したので、特に不満はありませんが。
購入して実際に走り出すと、公道では天下無敵。ほんとーに非の打ちどころがありませんでした。メデイアでのインプレッションってかなり抑えている場合がよくあるというのがよくわかりました。B〇W や K〇M は「アバタもエクボ」と言わんばかりに褒めるのにね。ま、これは大人の事情ってやつでしょうから仕方ないんですけどね。
個人的な意見を述べさせてもらうと、
高速・下道・舗装・未舗装・郊外・市街地・直線・カーブ・晴天・雨天、いかなる状況でもどんとこい。安定感がハンパないくせにヒラリ感もあるという、操縦性はまるでマジック。
性能・見てくれ、文句なし。直線基調のデザインはガンダムチックでかっこいいし、図体がでかいのでハッタリをかませられるが、意外にも低燃費(20km/L を切ったことがない)でハイパワーな優等生。
信頼性については、外国車、ましてや初期型ということもありトラブルに悩まされたこともあったが(拙ブログ「Tiger Explorer トラブル備忘録」をご覧ください)、エンジンを含めバイク自体はとても頑丈だったので、最初の 2 年間を乗り越えられればまあ大丈夫かと。
知名度・レア度はある意味ぶっちぎり。 英語で言えば God knows 、つまりは知っている者は誰もいないというレベルに近いので、希少車、珍車、迷車の類で話のネタの提供度は抜群。
ということで、見てよし・走ってよし・語ってよしという、実用性と所有満足度では最高のバイクでした。そうでもなきゃ 10 年・ 9万km オーバーも乗り続けないですからね。そんな Tiger と九州には行けずじまいだったのが心残りです。
そんな全方位で素敵なバイクなのになぜ乗り換えることになったのかというと、コレが引き金となりました。
それ以前から取り回しがだいぶキツく感じるようになっていました。そのため、出先でバイクを駐めるときにはバイクを入れる角度や向き、路面の傾斜にかなり注意を払わなくてはならなくなり、それが億劫でつい通りすぎてしまうことが増えてきました。また、面白そうな道があってもその先で進めなくなったら回頭できないという怖れから、あまり冒険しようと思わなくなりました。GPz900R の時のほうがよっぽど無茶していたくらいです。せっかくのアドベンチャーバイクなのにアドベンチャーしなくなり、機動力は四輪以下という体たらく。これでは Tiger Explorer を楽しんで走らせているとは言えないのではないかと思い始めた時に、このハプニングが起こったのです。
立ちゴケぐらいは誰でもやることだしワタシも初めてではないので大したことではないと思っているのですが、問題は独力で起こせなかったということです。それまでは転倒しても自分で引き起こしてエンジンをかけることができていました。なので、アクシデントが起こっても初期行動は一人でできるという自信のもと、全国各地をツーリングしていたのです。
ですが8月での転倒でその自信が一気に消えてしまいました。やはり筋力の衰えからか 260 kg を超えるバイクの引き起こしは、もう無理な領域になってきたようです。もしパニアケースをつけていたら、完全に横倒しにはならないので引き起こせたかもしれないとは思います。でもその分重量が増えているので、やっぱり無理かもなという結論に至りました。
当初はこのまま恐る恐る Tiger に乗り続けるか、それとも走行距離 10万 km という節目で乗り換えるかという 2 つの選択に悩みましたが、今後年齢が上がってくるに従ってますます筋力は衰えてくる、ということは、Tiger のままだとこの先ずっと楽しめなくなリ続けるという可能性が高まってくるだろうということに気づき、買い替えを決意したという次第です。
それまでも「もし買い換えるとしたら」と仮定して次期機種を考えたことがありますが、今回はガチです。実は北海道からの帰りのフェリーの中で買い替えプロジェクトを始動させていました。 細かいことは自宅に帰ってからということで、とりあえずのところはたっぷりある自由時間を使って大まかな骨子を考えてみました。S寝台で寝っ転がりながら、そして腰の痛みと闘いながら思いついた条件は、
・大型自動二輪であること
あの余裕は捨てられない
買い換える一番の理由がコレなので
・ 価格は総支払額 300 諭吉以内で
Tiger が約 200 諭吉。あれから 10 年経ったのでこんなものかな
・ 前傾姿勢がキツくないもの
約 20 年間アップライトの姿勢で乗ってきたので、いまさら伏せ姿勢はムリ
・ 整備が受けやすいもの
オイル交換に1ヶ月待ち? あー、だめだめ
・ デザインは直線基調
やっぱり日本男児なら「直線」でしょう!
・自分のツーリングスタイルにあったもの
1日 100 km ~ 1000km の走行でも(人間が)大丈夫であってほしい
・パニアとトップケ-スを付けられるもの
パニアは転倒時に装甲となってほしいので必須 トップケ-スは持っているので
というものでした。でもこれってなかなか高いハ-ドルなんです。なのであっさり3機種にまで絞ることができました。
次回はそれらの機種名と選考の結果をお伝えします。とはいっても、もう前回のブログで購入機種を写真付きで言っちゃいました。なので単に聞いて欲しいだけの内容になってしまうでしょうが、ご容赦のほどを。
では。