paradoxriderの日記

バイクや車、カメラなどのことに触れていきたいと思います

私的バイク遍歴リターンズ 12台目 その3

さて、前回の続き、 注文してからの顛末を書いてみます。今回は写真も無いのに長いです。ワタシの思い入れの強さによるものと受け取ってください。

 

 

思い返すと長い長い長い道のりでした。半導体不足のため、生産が不安定になっている時期だったのでしょうがないのですが、えらく長い間待つ羽目になってしまいました。

 

WRXSTI を購入した時も、東日本大震災の影響でかなり納車が遅れましたが、それでも 2 ヶ月待ち。それが今回は 10 ヶ月待ちですからねえ。限定車や希少車なら諦めもつきますが、買うのは国産の量産車。なので「早くしろよ、ゴルァ」「なんで遅いんだぁ!」と叫びたい気持ちを抑えながら毎日を過ごしておりました。あとから考えると、年間生産台数が 900 台のブランニューバイクが、発売されてから半年も経ってから注文したって手に入るはずがありません。

 

そのうちネットで GT の記事を探すことが多くなりました。人間は不安になるとまず情報を求めると言われますが、それは本当ですね。雑誌等では数件しか見つけられなかったのですが、ネットでの発信に行き着くことができました。。あ、これは TIGER の時と同じだ!

 

ネットの情報は玉石混交。今回は GT に関する損得無しの個人の考えや体験を知りたかったので、フィルターをかけて調べていきました。そのフィルターとは

 

・オーナーによる記事であること

身銭を切って買ったバイクだからこそ本音が言える。「知り合いのを借りた」、「試乗した」、「レンタルした」というものは初めから除外。そもそも素人が数時間乗った程度での判断は怪しい。

・スペック表記で字数を稼いでいるものはパス

メーカーサイトや商業サイトへ行けばわかること。個人でやるのなら明らかに字数稼ぎ。なので内容が薄いことが多い。

・動画はヒマツブシ程度

面白いが全部見ると時間がかかるので。

 

というものです。バイクやクルマを調べるときにはいつもこうやっています。

 

で、わかったことは、

「評価が分かれすぎる!」

ということでした。

 

シートで尻が痛くなる/ならない

Aモードは使えない/普通に使える

足元熱い/別に・・・

よくバンクする/立ちが強い

 

などなど、真逆の評価が目立ちます。個人差があるのはわかりますが、ちょっと大きいですね。

 

考えてみれば、昔と今ではバイクに対する姿勢は違っています。良くも悪くも今のバイク乗りは総じてライト。汗臭くない陸上部といった感じかな。その世代差に加えて、経験値、技能、経済力、流行というパラメータも増えるわけですから、イチ車種に対する評価の違いも大きくなるのは当然です。つまり、大きくなればなるほど「いろんな人の好みに合っている、いろんな人が買っている、いろんな人が乗っている、一部のコアな人が乗るクセの強いバイクではない」ということにつながるのではないでしょうか。

 

「そんな凡庸な、汎用型のバイクでは物足りない。オレはジムではなくガンダムに乗りたいんだぁ!」と思っていた時期もありました。でもツアラーとして考えるのなら ジム GTでも十分、いやむしろジムにガンダムのジェネレーターを載せたようなものだから、十二分の出来だと思います。

 

 

そう考えるとますます GT に乗りたいキモチが高まり、初デートを待つ厨坊のようにそわそわ。調べたということが裏目に出ました。それでもひたすら待てたのは、TIGER が手元にあったからです。少なくともバイクに乗り続けることはできたので気が紛れました。そう考えると、 TIGER は最後までワタシの面倒を見てくれたということになりますね。

 

TIGER の功績はもうひとつ。大きなトラブルを経験することで(詳しくは拙、「Tiger Explorerトラブル備忘録」で)ワタシの気が長くなりました。いちいちトラブルを気にしてそれにとらわれているとキリがありませんもの。それにより「忍耐」と「やり過ごし」のスキルを知らないうちに授けられていたワタシは、納車までの 10 ヶ月を正気を失うことなく過ごすことができたのです。

 

ありがとう、TIGER 。キミのおかげです。

 

 

では、注文してからの出来事を振り返ってみましょう。

 

2022/9/12

ヘルメットは Arai の uptown を使っていたが、バイザーが長いので GT に乗ると前が見えにくくなる。ということで新しいヘルメット(Arai vz-ram)を注文。驚いたことに通販サイトではこれも納期未定。入荷見込みが立たないので 4 月以降になるかもしれないと言う。 おいおい、これも半年待ちか? バイク業界どうしちゃったの?ビジネスチャンス、逃してるのでは?

 

2022/12/25

さて、GT を注文してから 3 ヶ月。赤男爵からは音沙汰なし。契約の際、店長から納車時期の見込みは「ラッキーなら 3 ヶ月、普通でも半年以上、1年先でも珍しくない」と言われたが、その通りになりつつある。サンタさんは多忙だったらしく、まずは第一期限、無事突破(泣)。

 

2023/5/1

時は流れて 2023 年。第二期限の半年はすでに突破している(泣)。 3 月に 2023 モデルが発表されたが、価格・カラーリングともに変更がないのでホッとした。でも新しいモデルが出たのに何も連絡がないということは、今年分の予約にさえ入れなかったのか? 店からの連絡も全然ないので、最悪の状態に備えておこう。TIGER900GTに代えることも視野に入れておく。

 

で、念のため県内の他の赤男爵にお伺いしてみる。と、「1ヶ月から3ヶ月で普通に入りますよ」と即答された。おなじチェーン店でも店によって方針が違うのか。店長の考えかな? でもこれで路線変更は保証された。いざとなったらこちらの店で買おう。20人ほどの諭吉増員が必要になるが。

 

2023/6/10

第二期限を超えること 3 ヶ月、第三期限まであと 3 ヶ月。最終決断をするにはいい頃合いだ。9 月に車検を迎える TIGER の扱いや納期の見込みなどについての納得できる説明を得られなければ注文をキャンセルし、他の男爵家に赴き TIGER900GT を注文しよう。コレもまた運命だ。

 

覚悟を決め気合を入れて入店し、店長を探す。彼はワタシを見るなり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、ワタシさん、今月末か来月頭に入りますよ。連絡遅れてすみません!」

 

とのこと。ああ、よかった、ギリギリだった。自分の頬が緩むのがわかるぐらいホッとした。ただし、純正のパニアとヘプコのトップケースステーは間に合わないという。入荷のメドを聞くと、前に頼んだ人は 3 ヶ月かかったのでそのぐらいは・・・、というお返事。こりゃ北海道ツーリングは無理だな。まあ車体が来るだけマシか。

 

でもこれは蕎麦屋の出前かもしれない。かつて TIGER のシリンダーヘッド交換では、 2週間で部品が来ると言われたのに実際は 6ヶ月かかったということがあった。今回も気は抜けない。

 

2023/6/19

勤務中にTEL。いよいよバイクが入荷したとのこと。今度は頑張ってくれたようだ。カネの用意はできている。「さあ、行くぞっ!」状態でスタンバっていたのだが、住民票の用意がまだだった(いやあ、ほんとにすぐもってきてくれるとは思わなかったので)。仕事を早く切り上げて市役所で発行してもらい、赤男爵に提出。その時、トップケ-スのベースは無理だがパニアケ-スは間に合う、と言われた。ありゃ、北海道、行けてたかも? でももう車で行くと決めているので、これもまた運命だと割りきろう。ついでに実車を見せてもらった。この色は初めて見るが、思ったより落ち着いていていい色だと思う。商談時の店長の誘惑(「黒ならありますよ」)に負けないで良かった。

 

納車の日、Xデーは 7/2 に決まった。この日が雨だろうが雷だろうが、絶対に行く!行ってやる!!と固くココロに誓ったのだった。でも好天だったらいいなあ・・・。

 

 

次回、納車日です。

では。