「はったい粉」ってご存じでしょうか?
先日きな粉プリンを食べた時に不意に思い出しました。きな粉は大豆でできていますが、はったい粉は大麦から。食べ方は、砂糖とよく混ぜて熱湯を加え、よく練っていただくというもの。きな粉と違って、食べ方はこれのみという 融通の利かなさ 一本気なところ が魅力です。
一度だけ 40 年以上前に祖母が作ってくれました。特に美味しいわけではありませんが、テレビを観ながらちびちびと食べるやり方が印象に残っています。
きな粉というトリガーでここまで思い出しました。超高速の連想ゲームみたいですね。
こうなるともう口ははったい粉。毎日仕事帰りにスーパーに寄るも、そんな汎用性も需要もない食材なんて置いてやしません。諦めかけて立ち寄ったスーパーで店員さんに聞くと「ありますよ♪」というお返事が。ワクワクしながら2袋買い込み帰宅して作りました。
カップに大さじ3杯、砂糖大さじ2杯、塩ひとつまみいれて熱湯を注ぎます。すぐ固くなるのでかき混ぜるのは一苦労でしたがなんとか出来上がり、昔のようにテレビをみながらスプーンですくって食べました。
とても素朴な味わいが小さい頃の記憶を思い出させてくれて、昔が懐かしくなりました。
ただ、それだけで終わってしまい、あんなに食べたかったのに一杯で満足してしまいました。2袋も要りませんでしたね。なので1袋は御歳 91 歳の母に進呈しました。母は「懐かしい」と喜んでくれるし、ワタシは1袋無駄にならなかったしで、win-win の結果になりましたとさ。
さて、北海道ツーリング、衝撃の12日目です。
8/29
いつものように朝5時起床。パッキングと身支度を整えてから 6 時半朝食。目覚まし替わりにたくさん食べる。お、カレーもある。やっと食べられてうれしい。
さあ出発だ。荷物を積んでエンジン始動。発進!
がつっっっっ・・・
え?止まった?
バランスが取れない!
倒れるぞぉー
ガシャン・・・
・・・やっちまった・・・
しかしここでパニックになってはいけない。とにかく起こすぞ!
一旦深呼吸して、えいやっ!
・・・微動
ふんぬっ!
・・・微動
ぬおおおおおおおおおおおっ
10cmくらい上がった。今だっ!
ゴキゴキッ
腰から変な音がした。これ以上はヤバイと判断しゆっくりとバイクを寝かせ、ホテルの人に援助を要請。男 2 人でようやく起こすことができた。
転倒の原因は私のバカなミス。Fホイールに付けていたロックの外し忘れだった。左に倒れたので、損害は左ウインカー、左シュラウド、左エンブレムの3点とトップケ-スの傷。
これで済んだのは土の上だったからかもしれない。走行には支障がないのが不幸中の幸いだった。
このバイクでの初めての転倒。しばらく言葉が出ないほどのショックを受けたが、全てワタシの不注意が引き起こしたもの。油断があったとしか言いようがない。ごめん、タイガー。持っていた布テープで垂れ下がったウインカーを起こす。
割れたシュラウドとエンブレムは戒めの意味でそのままにしておく。
その後、R37を西へ。ずっとくよくよ考えて走っていたが、ネガティブ思考は次の惨事を引き起こすかもしれないので、ツーリングに専念する。
長万部からは R5。先日吹き出した水柱は離れたところからでも見えた。相当高く噴き上がっているな。近くまで行こうとしたが、野次馬対策のため通行止めになっていた。
前日のウポポイで知った「シャクシャイン」の国縫の古戦場にも寄った。今は閉校になっている国縫小学校の横にある。草むらと碑があるだけ。日本人から見れば敵なのだから、この扱いもやむを得ないかもしれない。
R5 から R278を走る。これが今回の最後のシーサイドランになるかもしれない。天気も良く穏やかなコーナーが続くルート。道南らしく車の流れもゆっくり。眠くてたまらない。「道の駅なとわ・えさん」で休憩。海風が吹く芝生で30分ほど眠るとスッキリした。
そのまま函館市内に入るが、時間があるのでちょっと宝探し。D100で七重浜の店に行ったがボウズ。函館市内に戻り土方歳三の最期の地へ行ったり
市街地を回ったりしてから、今日の泊地「ホテルテトラ函館駅前」。駅近の年季の入ったビジネスホテルだが、屋根のある所にバイクを置けたり、フロントの対応もマル。いい宿を見つけた。
荷物を置き、いつもの街ブラ。写真を撮りながら歩き回る。シーズンオフの観光地は役者の舞台裏を見ているようで面白い。1時間あまり歩き回り、
帰りにラッキーピエロで夕食を買い込んでホテルで賞味。夏にこれを食べると「北海道にいるんだなあ」という実感と「もう帰るんだなあ」という寂しさを味わえる。
翌日はフェリーに乗るので、荷物の振り分けをしたりしてダラダラ過ごした。引き起こしの時にやっちまった腰が痛い。
本日の走行距離:283.6km
本日の振り返り
今日のトピックは間違いなく立ちゴケでしょうね。最後にやたらかしたのは FZS の時。この時も土の上だったのですが、荷物満載のまま独力で引き起こすことができました。
あれから 10 年余り。今回はムリでした。倒したことや壊れたこと(いくら掛かるんだろう・・・)よりも、一番ショックだったのは自分で起こせなかったことです。もう自分の体力ではムリなバイクになってしまったのかもしれません。修理をするべきか軽いバイクに買い替えるべきかずっと考えてしまい、この日一日はどうしてもそれが頭から離れず、ツーリングを楽しめませんでした。
それでも函館で信号待ち中、並んだ車の中の小学生の女の子から「カッコいいねえ!」と声をかけられて、少し救われた気分になりました。
翌日は北海道の最終日。転倒のことは横に置いといて、できるだけ楽しもうと思いました。
続きは今度。
ではまた。