鹿児島詣の続きです。
高速道路を淡々と走ること約 10 時間で、ようやく一般道に戻れました。以前 FZS1000S で弾丸ツ-リングをしたときは 9 時間で天文館まで行けたので、今回はだいぶ時間がかかってしまいました。
ま、今回は車ですし、当時はまだ 40 代だったので無理はきいたからでしょう。さすがに今は危険を感じます。でもやってみたい気はします(ウズウズ)。
でも今の方が「退屈さ」や「焦り感」というのは明らかに少ないです。結果、同じ距離を走っても疲労感も少ないですね、加齢したにもかかわらず。到着する達成感より途中の過程を楽しむことができるようになったからだと思います。これが「大人になる」ってことでしょうか?まあそういうわけで、薩摩吉田 IC までの走行をそれなりに楽しんだわけですが・・・。
8/20
K16 で鹿児島市街へ向かうが、渋滞で一苦労。この道はループになっていてぐるぐる回りながら高度を下げていく。なのでブレ-キをかけながら走る車も多くノロノロ運転を余儀なくされた。国道に入ると車の数も多く、交通の流れは動かざること山のごとし。そういや今日は平日だった。こうやって遊びに来ているワタシは恵まれているんだなあ。
途中、小高い丘の上にある東郷平八郎の像や、
薩英戦争時の砲台に立ち寄り
鹿児島って対露、対英、対日の戦争に関係しているだなあ。スケ-ル、でかいなあ。
その後鹿児島市内に入り鹿児島中央駅へ行ってみる。駅ができて間もない時に新幹線できたのだが、当時とは全く風景が変わっていた(あたりまえか)。
市内を走っている時に思ったのだが、1車線の幅が狭くない?ちょっと用心して走っていたのだが、そんな中を地元民たちは「おいどん、入るとです」、「おいどん、曲がるとです」と言わんばかりにバンバン車線変更しながら走っている。やっぱり薩摩隼人は一味違う。
R10、R225、R226、K23 を走って
10時に知覧特攻平和会館着。まず周囲にある跡地を見て回る。
暑い中 1 時間以上歩いて回ったら、汗はかくし疲れるし腹減るし。ということで少し早いがランチタイムだ。すぐ横にあるラーメン屋へ行く。
ではラーメンを頂こう。
とんこつ+みそ+にんにくのコラボがおもしろい味になっている。スタミナがつきそうで、疲れた体が回復してくるような気がするラ-メンだった。体が塩分を欲するので、当然スープまで完食。ごちそうさまでした。
さて、館内に入るか。
入館して展示を見る。館内は撮影禁止。展示品の保全という意味もあるだろうが、国のために死んでいった人たちの写真や持ち物、魂の叫びのような手紙なんかを軽々しくネットにあげるバカもいるからな。
来館者はたくさんいて子連れのファミリーやカップルが多いが、騒ぐ者はいないのでゆっくり見せてもらった。この資料館は冷静に淡々とその悲惨さを展示している。それゆえに実際の「特攻」という悲惨さが浮き彫りになって感じられる。戦争全体の資料を扱っている靖国神社の展示コンセプトとはちょっと違うな。でも展示ビデオでは泣いてしまった。隣で見ていた女の子が早田ひなに似ていたような気がしたが、気のせいか?
14時過ぎに出て、
次の目的地へ。
30分くらいで万世特攻平和祈念館に到着。
すると中はガラガラ。みんな何故こちらには来ないのか?知覧の小さい版的な展示だからか?ジャンルは同じだが展示資料は異なるのに。名所や観光地、団体旅行先になった所ばかりクロ-ズアップされ、同等の価値がある所であってもそこ以外はほったらかしになっているという状況は他の地域でも起こっている。函館の五稜郭に対する碧血碑、沖縄のひめゆりの塔に対する白梅之塔など、例をあげたらきりがないぐらいだ。
メジャ-になった遺構だけをみて戦争がわかったような気持ちになる、そんな狭い視野で判断するという姿勢が前の大戦を引き起こした原因のひとつなのかもしれないのに、その戦争資料を見て同じことを繰り返そうとしているのは何の冗談だ?一面的な見方には危険性と怖さがあるということが現代の日本人の性根には入っていないのかもしれない。
先ほど述べたように展示の点数は少ないが、内容については知覧のものに比べて不足を感じることはない。むしろ部隊の組織や内情についてはこちらの方がわかりやすいくらいだ。まず万世で勉強してから知覧に行った方がいいかもしれない。
では最後にもう一ヶ所、枕崎へ行く。そこには戦艦大和の慰霊碑があるのでお参りに。
多くの艦が沈んだ海が見渡せて、良い所に作ったものだ。
ここに資料館を作りたいらしい。でもちょっと無理があると思わない?いろんな資料では戦艦大和の沈没地点は坊ノ岬沖と言われているし。ひょっとしてそれを観光資源として使おうとしてる?
フネが往った海が見える→慰霊碑作成:わかる
慰霊碑作成→資料館をつくる:わからなくもない
フネが往った海が見える→資料館をつくる:わからない(こじつけ?)
亡くなった人やフネを担ぎ出し、客寄せパンダにしているように見える。遺構はそこに佇み、見に来る人になんらかの影響を与えるために存在する。人間がでしゃばらせるものではない。
17:00 が近いがまだまだ暑い。慰霊碑のある丘を上り下りしたら汗が吹き出した。
さあそろそろ宿に入ろう。途中コンビニで夕食を買い込んで、今日のお宿AZホテル鹿児島川辺店にチェックインするが、禁煙室を予約していたことが発覚。満室なので変更不可だってさ・・・。今晩くらいは禁煙しろと英霊たちが言っているのだろう。
部屋に入ると買い込んだ飲み物を片っ端から飲んでいく。熱中症一歩手前だったようだ。一息ついてからは旅行のお楽しみ、テレビ鑑賞。
ここまでの走行距離:851.3 km
続く。