paradoxriderの日記

バイクや車、カメラなどのことに触れていきたいと思います

日本紀行 第22回 愛知

車で通勤しています。いつものように職場近くの道に入りました。ここは狭い割に交通量が多く、脇道からの合流もあるために速度は出せないので、いつも渋滞しています。ところが今日は道がガラガラ。車が1台もいません。職場までの数百メ-トルの間で走っているのはワタシの車だけという状態になりました。

 

異世界に紛れ込んだようで、めちゃくちゃ怖かったです。

 

 

さあ、名古屋  愛知のお話です。

 

「名古屋の県庁所在地は?」という笑い話がありました。名古屋の存在感が強すぎて他の街の印象が薄くなっているからかもしれません。私も初めて泊まったのは名古屋市でしたし。

 

名古屋とのファーストコンタクトでは思わず口があんぐり。新幹線に乗って名古屋駅に到着してふと車窓から外を見ると、そこにあったビルの側面にはこんな文字が。

 

大名古屋ビルヂング

 

え・・・? 四国住民ののワタシからしてみれば、名古屋って大都市。最先端の技術が結集した未来志向のシュッとした街というイメージがありました。そんなワタシの目に飛び込んできたのは、高度成長期の汗と泥の香りを想起させるビルの名前だったのです。「ヂ」? 登記でそうなっているのでしょうから不思議ではないのですが、「大名古屋という冠言葉が面白さにブーストをかけてしまっていました。このネーミングセンスとワタシがもっていたイメージのギャップがあまりにも大きく、いつかはこの地を(怖いもの見たさで)訪れてみたいと思うようになりました。

 

ツーリングなどでよく通過はしていたのですが、初めて名古屋で泊まったのは 30 年前、仕事で行きました。その合間を縫って初めて行った観光地は名古屋城。噂に名高い「金の鯱」を見たかったからですが、見た感想は「ふーん・・・」でした。期待度が大きかっただけにガッカリ感は倍増。単に屋根の上に乗っている物なのだから期待するほうが間違いなのかもしれませんが。

 

その後の街歩きで、当時流行り始めた名古屋嬢を探したり「ナナちゃん」を見に行ったりしてお口直しをしました。

 

 

名古屋には肩透かしを食いましたが、名古屋だけが愛知ではありません(念のため)。その後もバイクやクルマでツーリングがてら、他にいくつかの場所も回ってみました。世界のトヨタ、その関連施設、特にトヨタ産業技術記念館はとても興味深かったです。人によってはトヨタ博物館より面白いかも。

初代プリウスと実験安全車


また、ノリタケミュージアムもなかなかのもの。TOTO と INA(現:LIXIL) が兄弟会社だということをここで初めて知りビックリ。単なるトイレライバルじゃなかったんだ・・・。

 

 

ただ観光となるとちょっと・・・と思っていました。でもその失望感を補ってあまりある場所があったのです! それは

 

明治村

 

です。ツーリングの途中に偶然ふらっと立ち寄っただけだったのですが、一発で気に入ってしまいました。それ以来、毎年紅葉の時に景色を楽しみ写真を撮ることを目的に訪れるようになりました。でもこの数年はコロナの影響(またこいつのせいか・・・)で行けていないのが残念です。紅葉と近代的な建物は相性がいいとは思えませんが、古い建物とのマッチングはなぜか趣があります。光のあたり具合のこともあるので、ほぼまる一日写真を撮りながらうろつくことが多いです。まあ、紅葉がなくても行っちゃったりしますけどね。そこで売っているコロッケを食べながらぶらぶら歩くのがお気に入りです。

明治村の風景

近くにあるスモールワールドにも一回だけ行きました。また行きたいと思えるくらい興味深い所ですが、明治村に引っ張られてしまい二回目はまだです。・・・と書いていると行きたくなってしまいました。暖かくなったら行こうかな。

 

 

他の愛知旅では、鉄ちゃんと一緒に撮り鉄の旅をしたときに豊橋に立ち寄ったり

豊橋路面電車 ここはブラックサンダ-を作る会社の創業の地

 

彼の鉄分に影響され、リニア・鉄道館にも行ったりしました。

顔がだんだん無機質になっているような・・・

 

また、小倉ト-ストを食べに行ったこともありましたっけ。このためだけに愛知(名古屋)へ行った自分に乾杯!

水曜どうでしょう」の藤村D の実家 現在は閉店

 

 

「食べもの」ネタを続けていきましょうか。名古屋 愛知にも有名なものがありますね。まずはひつまぶし名古屋駅地下で食べました。いくつもの食べ方があるのがおもしろいし、確かにおいしかったです。が、残念(?)なことにひつまぶしを食べられる店は徳島にもあるので、あまりありがたみは感じません。ましてや本気でおいしいウナギを楽しみたいのなら、隣県に行っちゃいますね、ワタシなら。

paradoxrider.hatenablog.com

 

それなら、ほぼ他県ではお目にかかれないしお値段もぐっとリーズナブルなきしめんはどうでしょう?麺の形は違いますが、日頃からうどんを食べ慣れているワタシなので、食べ比べという意味もあってチャレンジしてみました。平打ち麺はもっちりして美味しいし舌触りが優しい、汁はさっぱりめだけど鰹節がいいアシストをしているので、「大」であっても一滴も残さずらず完食できます。さぬきうどんと比べると、きしめんのほうが上品な気がしますね。でもさぬきうどんには各種トッピングやおでんという強力な随伴艦がいるので、トータルでは引き分けです(キッパリ)。

 

でもワタシがぶっちぎりで美味しいと思ったのは味噌カツです。愛知の知人が「ここがおいしい!」と言って連れて行ってくれたのは、R23 沿いにある喫茶店。店名は忘れましたが、海の近くだったことだけは覚えています。注文してしばらくすると運ばれてきた味噌カツ定食を見ても、特に感想はナシ。「単にとんかつにドロッとしたソースがかかってるだけでしょ」というのがファーストインプレッションでした。でもそんな気配はおくびにもださず、「おいしそうだねぇ」と言うのがオトナの流儀。

 

まずはソースのかかっていない部分から。

「ぱく」・・・うん、旨いとんかつだ。ではふた口目。今度はソースのかかっている部分を、っと・・・。

「ぱく」・・・ん?

「ぱく」・・・おを?

「ぱく」・・・こっ、これはっ?!

「ぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱく」・・・(無心)

 

これが八丁味噌の初体験でした。味噌だけでもご飯が食べられるぐらいおいしいのに、それがトンカツにかかっているという味の二重奏。なんと贅沢なのでしょう! いや、コレを一気に食べるなんてモッタイナイ、ちょっと箸休めをと思って味噌汁を一口。

おおっ、ここにも八丁味噌がっ!(嬉)

右フックを浴びていて、避けたと思ったら左フックが飛んできた、ような気分でした。八丁味噌にやられ放題。しかしこの味に魅せられたワタシにとってご褒美です。血圧が気になる人は用心するような味ですが、低めのワタシはお構い無しでガンガンかけてドンドンいただきます。食べ終わってしばらくは放心状態。ジャンク的な味ではありますが、ワタシの舌を掴んで離さない一品でした。それ以降、コレを食べるためにだけに2回、愛知(蒲郡、だったかな?)へ行った自分に乾杯!

 

しかし考えてみたら、愛知ほどの大きな県でおいしかったものといえばこれら3つというのも不思議な話です。おいしいんだけれど中途半端に地味。他の都道府県はそこを代表する食べ物を、その味や歴史に背景やエピソ-ドめいた話をくっつけて熱心に推しているのに、そのようなパッションも愛知には感じません。

 

そのようなクールさは他の面でも感じます。例えば、他の大都市が抱いているような、東京に対するコンプレックスや対抗心が愛知にもあるかといえば、それも無いように思えるし、東京と大阪の真ん中にありながら、どちらの影響にも引きずられることなく我が道を行っているように見えますし。

 

信長や家康という戦国武将を生んだ土地というプライドと自信があるのかもしれません。「君たちとは違うのだよ、君たちとは」、的な。

 

でもやっぱり「産業力」の強さがバックにあると思います。愛知って三菱重工カゴメミツカンJR東海、ブラザー、コメダ、マキタなど大企業の本社がひしめいている所で、国内では唯我独尊状態、なんなら日本からの独立だってできるぜと言い出しても不思議ではないくらいのパワ-を持っています。単一県でありながらGDPではイスラエル並みというとんでもない県なのですから。知らぬこととはいいながらタモリネタで笑っていたことを、この場をお借りしてお詫び申し上げます。

 

 

愛知って、東京と大阪という見どころ満載の都市に挟まれてちょっと存在感が弱いように見えて、実はいぶし銀的な魅力を持つ県だと思います。「行きたくてたまらない」というのではなく、「そういやあそこへちょっと行ってみるか」という軽い動機で訪れて、でも行ったら行ったでしみじみと満足できる場所です。なので観光経験上級者向けなのではないでしょうか。幸い四国からはそう遠くないので、今年は泊をつけたお出かけをするつもりです。スモ-ルワ-ルドセントレアあたりがターゲットかな。当然味噌カツも忘れずに(ジュルリ)。

 

 

ではまた。