paradoxriderの日記

バイクや車、カメラなどのことに触れていきたいと思います

日本紀行 第13回 栃木

梅雨に入ったというのにあまり雨が降りません。四国の水瓶早明浦ダムも水量が心もとなく、取水制限がかかったまま。このままでは干上がって、水底に沈んだはずの建物がまた姿を表すかも。以前渇水が起こった時このダムを見に行ったのですが、そこに来ているクルマのナンバーを見るとワタシの県のクルマばかり。やっぱり気になるんでしょうね。

 

数十年前に真夏に大渇水が起こった時は断水が続いて、風呂や食事の準備ができなくなることがしばしばあり、日常生活に支障が出ました。当然庭の散水や洗車もできず、荒れ放題。あげくのはてに給水車が出動したり大型の建物のエアコン(水冷式)が停止したりするなど、ほぼ災害のような状況になったことを覚えています。

 

ワタシの県の県民は、毎年このことで頭を悩ませています。コレさえなければ日本一平和な県なんですけどねえ。

 

 

 

さて、今回は栃木についてです。

 

 

栃木は茨城の隣県なので、身近な存在でした。「♫とちぎ!の旅を知ってるかい?」で始まるテレビCMに洗脳され、学生時代にも何度か行きました。ワタシにとっての初めての県外ツーリング( GPz400 )の場でもありましたねぇ。でも当時は寄り道なんて二の次で、走ることがメインテーマ。東照宮などの名所旧跡には学生時代には行ったことがありません。なので、当時のワタシとからすると「日光」といえばいろは坂「金精道路」(当時は有料)、「霧降高原道路」(当時は有料)、戦場ヶ原がある、走って楽しい場所だという認識しかありませんでした。

 

まあ、楽しいといっても初めの頃はコーナ-におびえて地蔵状態でしたけどね・・・。

 

 

観光目的で行き始めたのは 齢40 を超えてからです。季節は冬。東京へ行ったついでに日光まで足を延ばしてみたところその景色に魅了され、それ以来コロナ騒動の年を除いては毎年訪れています。

 

主に東武鉄道を使いますが、浅草から日光までの直通普通列車がなくなったのは残念です。夜明け前に出発する列車に数時間揺られるのが旅情を感じられて趣深かったのですが・・・。現在では南栗橋で乗り換える便を利用しています。ええ、もちろん普通列車ですとも。

 

駅に着いたら、雪の降り積もる中バスで中禅寺湖まで行き、湖面を渡る冷たい風と寒々とした景色を堪能した後、

風が寒いっす、いや、痛いっす

 

華厳の滝で写真撮影。

上の方で流水調整をしているのを知って驚きました


その後バスで東照宮へ行き、近辺の寺社を巡り、

雪景色が絵になります


駅まで徒歩で帰るというのがお決まりのコースです。

 

途中の土産物屋を覗いたり食事をしたりしつつ、ぶらぶら歩いて帰るのも楽しみの一つですが、雪が積もっている上にゆるい下り坂のため、道がすべるすべる。ペンギン歩きを余儀なくされます。

 

この歩き方は普段使っていない筋肉を使うので、帰ってからのケアを怠るとエライ目に遭うことを経験を持って知りました。行かれる方、ご用心ください。

 

 

地元に帰ってきてからのバイクツーリングでは、東北からの帰りに寄ることが何度かありました。大体は R121 を南下してゆるゆると続く山間の道を楽しんだり、鬼怒川温泉に寄って寂れて廃墟同然となったホテルを見て、「盛者必衰の理をあらわす」という言葉の意味を噛みしめたりしていました。

 

福島ツーリングから帰りの途中、霧降高原のどん突きに「大笹牧場」というのがあったことを思い出しました。バイクサ-クルの日光ツ-リングでは、よくここで休憩をしたものです。牧場の今の姿を見たくて、いつものルートから外れて行ってみました。

 

到着したそこは学生時代に行っていたものとは全く違っていて、おしゃれな観光牧場にアップデートされており、気後れするぐらいでした。 「昭和は遠くなりにけり」だなあと思いつつ駐車場にバイクを停めると、周囲のバイク乗りが、男も女も、若者もオッサンオバサンも、みんながみんなソフトクリームを舐めているではありませんか。

 

牧場でソフトクリームは定番中の定番ですが、それにしても異様な光景です。暑い(夏でした)ので、みんなが食べるのならオレは食べないぞと意地を張る気も起きず、まあお約束だからとひとつ買って食べました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

超うまい!!!!!!!!!!!!!!

 

驚きでした。こんなうまいソフトクリ-ムは食べたことはありませんでしたし、現在まででもコレに匹敵するソフトクリームには未だ出会っていません。もちろん呼んだら出てくるシェフがいるような高級店でなら食べられるかもしれませんが、カウンターから手渡しで受け取るような店でこの味はチートです。これがなんと @¥350 (当時)! これは倍の ¥700 出しても惜しくないクオリティでした。

 

驚きながら食べた1個め

じっくり味わいながら食べた2個め

この味を記憶に残すための3個め

 

と、3ついただきました。売店のおばちゃんは半笑いでした。

 

 

他にバイクで行ったところとしては、写真はないのですが、足尾銅山跡やその近辺も見応えがありました。テーマパーク的な所も面白かったですが、ワタシはむしろ当時使っていた線路跡とか建物跡、現在も残っている(使っている)建造物に興味がわきました。徐々に草木に覆われていずれ忘れ去られるであろうこの景色の目撃者になった気分で、背筋が伸びる思いです。

銅山跡地近くにて ザ・夏の風景

 

廃墟といえば鬼怒川温泉にも寄ってみました。営業しているところもあるのですが、廃墟となった宿が数軒あります。観光地イメージとしては大きなマイナスでしょうが秘境感を高める要素にもなっており、個人的には好きな風景です。むしろ逆手に取ってこの情景を売りにしたらどうでしょうか?

 

 

 

こんな感じで、栃木にはツーリングや仕事で 10 日以上宿泊しています。 でも行った日数の割に印象に残る食べ物はソフトクリームだけ。

 

もちろん日光の湯葉とか宇都宮の餃子は食べましたよ。 でもワタシが食べたいものはそんな A 級の食べ物ではなく、C 級のものです。まあ美味しいんだけど、ローカルフードで、下手すりゃ地元の人でも知っているとは限らないものです。 たとえばちょっと立ち寄った蕎麦屋の天ぷらとか、国道沿いのドライブインのもつ煮とかでいいんです。 そんな何気ないものの味の印象の方が旅の思い出にダイレクトにリンクし、後々まで記憶に残っているのです。なので、栃木では舌で思い出す記憶が少ないのがとても残念です。

 

 

栃木へ行くとつい日光へ足を向けてしまい、いろいろな見どころをうろつくということが他県に比べて少ないです。大観光地があるために他所がくすんでしまっているのかもしれません。実際ワタシが泊まったのは日光近辺、宇都宮、鹿沼(仕事で)だけです。今度行く機会があれば、もっと「中途半端」(失礼!)な所をまわって、「へぇ〜」とか「オイオイ」と感じたいと思っています。

 

来年、福島からの帰りに寄るかな。GW がどうなるか次第ですが。

 

 

 

ではまた。