paradoxriderの日記

バイクや車、カメラなどのことに触れていきたいと思います

私的バイク遍歴 7/11・・・の前に

今日は勤務日。休憩でタバコを吸いに1階へ降りて再び仕事場に戻るとしんどかったです。運動不足、ヤヴァいです・・・。

 

 

 

7台目に入る前に

 

 

前に書いた通り、GSX400X とは短いお付き合いでした。長距離をど-んと走りたい私にとって、尻続距離が 100 km というのは全く話になりません。実車にまたがればわかっていたのでしょうが、初めて乗るのは納車の時と決めています(二輪も四輪も)のでそれもかなわず。で、この有様です

 

というのが一つ目の理由。

 

二つ目は

 

 

 

 

 

 

 

限定解除試験に合格したからです!

 

 

ドンドンドン、パフパフ~。

 

 

 

現在では「大型自動二輪免許」と言いますが、当時は排気量に関係なく、「自動二輪免許」はひとつだけ。ただし、条件として「自二車は小型に限る」、「自二車は中型に限る」という限定がついていました。

 

 

その限定を取っぱずして「どんなバイクでも乗っていいよ~」という、言わば排気量制限のリミッタ-カット、すなわち限定解除と呼ばれていました。

 

 

今でこそ自動車学校で取れますが、当時は免許センタ-での実技試験一発勝負しかなかったのです。この試験の難しさときたら・・・。私が受けていた茨城県の当時の合格率は 3%、合格までの平均受験回数は 10 回でした。それ故に「落とすための試験」とか「日本一難しい国家試験」とか言われていました。

 

 

ですから限定解除の免許を持っている人は周囲から一目置かれていたものです。ちょうど自衛隊のレンジャ-課程修了資格を持っているようなものですね。

 

 

行きましたよ、試験に。雨の日も風の日も、暑い日も寒い日も。

 

 

夜明け前に水戸の免許センタ-に行き、入り口ドア前に来た順にヘルメットを置いて、数時間待ってドアが空いたら各自ヘルメットを持ち、そのままの順番で窓口へ行きます。試験日は予め指定されていて、午前午後にそれぞれ 100 人弱の受験者がいました。

 

合格発表は午前試験後と午後試験後にそれぞれ行われるので、午後班になってしまったら 12 時間以上免許センタ-にいることになります。私は朝3時ごろ出発していたのに、一度も午前班に入れなかった・・・。

 

試験車両は CB750FC か GSX750E でした。低速トルクの強い GSX はぎくしゃくして乗りにくいと不評だったのですが、CB はエンジンガードが無駄に大きく、多くの受験者はパイロンタッチで脱落していきました。

 

完走しても不合格ばかりで心が折れそうになりましたが、慣れてくると「月一の水戸詣」と割り切り、10回目の試験(当然午後班)。

 

この日の午前班の合格者は 0 。別に珍しいことではありませんが、「やっぱ午後も合格者ナシかなぁ」と気持ちはダウン。

 

 

名前を呼ばれ、指定された号車へ行くと CB !「え”、乗ったことない・・・」

ずっと GSX ばかりだったのでイヤな予感しかしません。 

 

 

初めて乗る車体なので、安全確認や乗車姿勢、アクセル・ブレ-キ操作を気をつけて行い、スタ-ト地点へ帰還。ま、あとは発表を待つだけと、他の受験生と他愛のないおしゃべりをして過ごしていました。

 

 

「はい、集まって~」という試験官の声で 100 人くらいのオッサンたちが集合します。この試験官は少々曲者で、いつも受験生の直すべきところを率直に述べて叱咤激励してくれます(「下手だ」、「その運転は恥ずかしいと思え」「受ける資格はない」etc )

 

 

今回はそのお言葉がいつもより長く、我々とすれば次の試験の予約をしなければいけないので、イライラMAX 。私も隣の人と小声で文句を言い合っていました。

 

 

試験官 :「今日もはずれの受験者ばかりだったが、一人だけ満点、90 点の人が二人。合格者は3名だ」

 

ワタシ:(はいはい、わかったわかった。次の予約に行くんでさっさと発表して解散させてくれ)

 

試験官 :「では満点の人、ワタシさん」

 

ワタシ :「・・・? はひ!!!(涙)

 

試験官殿:「90 点の人、ーーーさん、・・・・」

 

 

嬉しかったですねぇ。今思い返しても人生で一番うれしかった合格でした。

 

 

受付窓口では、不合格者 チャレンジャ-達は予約をするために行列、ワタシらは待合室の長椅子に座って穏やかに微笑みながら交付を待つという、容赦ない格差が。

 

そこに白バイ隊員がやってきて、当時の水戸試験場名物だった、合格者に対する訓示をしてくれました。要は、他のバイク乗りの見本となるような走りをせよという話です。「君たちはバイクエリ-トになったのだから」という言葉を今でも覚えています。

 

 

帰りの運転が超模範的になったのは言うまでもありません。遅くなりましたがバイク屋はまだ開いていて、勢ぞろいしているメンバ-に結果発表。みな口々に

 

「おめでとう!(次何買う?)

「やっと受かったな!(次何買う?)

「オレも受けようかな(次何買う?)

 

という温かい言葉と腹に一物持った表情で喜んでくれました。

 

 

さあ、次は7台目だ!

 

 

 

補足:当時の水戸試験場の名物は白バイ隊員のお言葉だけではありません。昼休みの時に、点検と暖気のため試験官がコ-スでデモ走行をやります。我々の控室前あたりに来るとこれ見よがしに全開加速、急制動、ウイリ-走行などを、ノ-ヘル・作業服でやってくれました。なんともおおらかでファンキ-な時代でした。

 

 

 

続きは今度。

では。